マンションを売却するためのファーストステップは、不動産会社を選ぶことです。ただしここを安易に決めてはいけません。不動産会社次第で、売却できる金額もスピードも大きく変わります。マンション売却を成功させるのは、不動産会社次第といっても過言ではないんです。
最初にして最大の難関。マンション売却を任せる不動産会社の選び方を徹底解説します。
目次
1、不動産会社の役割とは?
まず不動産会社を選ぶ前に、不動産会社とはどんな存在なのか学んでいきましょう。
不動産会社は売却のパートナー
不動産会社は、基本的に売主であるあなたと買主とを「仲介」する役割を持ちます。
具体的に何をしてくれるのかというと、売却物件の広告活動、問い合わせ対応、内覧対応、価格折衝、契約準備、引渡し準備…など、売却に関わる全ての業務です。
売り出し価格を決めたり、「この人に売る!」と決めたりするのは、売主であるあなたの権限ですが、いずれにおいても不動産会社の方のアドバイスがあってこそ適切な判断ができるものです。
つまり不動産会社は、専門知識をもって売却を先導してくれる先生のようなものであり、二人三脚で売却まで協力する同士のようなもの。「売却のパートナー」と表現するのが適切かもしれませんね。
近年では個人間売買やオークションなどの形でマンションを売却する人もいますが、有識者が立ち会わず、当人同士で不動産の売買契約をするというのはおすすめできません。取引金額も高額で、専門性も高い不動産売買を個人間でおこなうとなると、契約自体に不備があったり、契約後のトラブルにも繋がったりする可能性が非常に高いからです。友人間や親子間などであっても、不動産会社に仲介してもらうことを強くおすすめします。
不動産会社の「ホンネ」
「不動産会社は売却のパートナー」だとお話しましたが、不動産会社の「ホンネ」についても売主は認識しておく必要があります。
売主ってマンションを少しでも早く、少しでも高く売りたいものですよね。でも実は、不動産会社はそうは思っていないんです。「思っていない」というと語弊があるかもしれませんが、「早く、高く」というのは、必ずしも不動産会社の利益には繋がらないんです。
不動産会社は、売主や買主からもらう「仲介手数料」が収入源です。後にも先にも、基本的に顧客からは仲介手数料しか受領しません。
仲介手数料は成功報酬ですから、売却の依頼を受けただけでは収入はゼロです。契約をして初めて収入になるんですね。そのため「早く売りたい」という志は、売主と同じです。でも「高く」については、そこまで不動産会社はもとめていないんです。
例えば3,000万円でマンションを売った場合、売主から受領できる仲介手数料は「3,000万円×3%+6万円=96万円」です。一方3,200万円で売った場合の仲介手数料は「3,200万円×3%+6万円=102万円」。売却金額には200万円もの差があるのに、受け取る仲介手数料はたったの6万円しか違いがありません。
同じマンションが3,000万円か3,200万円だったら、当然3,000万円の方が早く売れる可能性は高いですよね。もし3,200万円で売ったことにより2ヶ月間売却期間が伸びたとすれば、その間の人件費や広告費を考えると、3,000万円で早く売ってもらった方が不動産会社の利益は圧倒的に大きいんです。わずか6万円手数料が増えたとしても2ヶ月伸びた分の費用は到底回収できないですからね。つまり不動産会社のホンネは、「多少安くても早く売ってもらいたい」というものなんですね。
ただ社会的責任を果たしたり、顧客満足度を高めたりすることは、その不動産会社の長期的な利益にも繋がります。しかしそこを考えず、目先の利益のみを追求する不動産会社もいるというのも事実。そのことを認識し、売主と同じ志を持ち、パートナーとして誠心誠意動いてくれる不動産会社かを見極めるのはとても重要なんです。
仲介と買取の違い
実はマンションの売却は、「不動産会社に仲介してもらう」だけが方法ではありません。仲介以外にマンションを売る方法として、「買取」というものがあります。
売主は、まず買取業者にマンションを売ります。その後、買取業者はマンションを修繕したり綺麗にしたりしたあと、自らが売主となって付加価値をかけて買主に売ります。これを「買取再販事業」といいます。
買取業者からすればマンションを買う過程は「仕入れ」ですから、価格を抑えなければなりません。そのため不動産会社に仲介してもらって一般の人が買主になるケースに比べると、価格が安くなるというデメリットがあります。買取価格は、相場の7割前後になるのが一般的です。
しかし「買取」にもメリットがあって、「買取」が向いているというケースもあるんですよ。
そう、先生のいう通りなんです。では「買取」のメリットを見ていきましょう。
買取のメリットには、次の3つがあげられます。
買取のメリット
- 即金・即売が可能
- 瑕疵担保責任の免責
- 周囲に知られずに売却できる
ここから1つずつ解説していきますね。
1、即金・即売が可能
仲介による売却は、売れる時期を確定することができません。買い手が現れてくれるのを待つほかないからです。また、買主と契約をしてからすぐに売却金額を受け取れるものでもありません。契約から物件の引渡し・残代金の決済までは1ヶ月ほどになるのが一般的です。買主の都合などによっては、決済までに2、3ヶ月かかることも珍しくありません。
つまり仲介による売却は、最低でも2ヶ月、平均的には4ヶ月ほど、買い手が現れなかったら半年、1年以上が、売り出しから引渡し完了までにかかるわけです。
その一方、買取であれば即金・即売が可能です。また仲介による「売れないかもしれない…」という不安も皆無。確実性もメリットの1つですね。
2、瑕疵担保責任の免責
一般の方が買主となる場合、売主はその物件に瑕疵(=欠陥)があった場合にその修繕の責任を負わなければならない決まりがあります。これを「瑕疵担保責任」といいます。一般的には、引渡し後2、3ヶ月など期間を決めて売主が責任を負うことになります。マンションに多い瑕疵は、排水管のつまりや窓からの雨水の入水などですね。
契約時に「売主は瑕疵担保責任を負わない」旨の特約をつけることもできますが、その場合、買主が値引きを請求してきたり、「だったら買わない!」となったりする可能性もあります。
一方、買取業者は修繕を前提とする「仕入れ」のためにマンションを買います。そのため瑕疵については気にしないんですね。売主の瑕疵担保責任は、免責とすることができるんです。また仲介だったら瑕疵はもちろん、床や壁、水回りの傷や汚れが気になるところですが、買取であれば現況のまま、掃除もせずに引き渡すことが可能です。
3、周囲に知られずに売却できる
仲介による売却の場合、基本的にインターネットサイトへの掲載や投げ込みチラシ、折込チラシなど、多様な広告活動をおこないます。そのため周囲に一切バレずに売却するというのは難しくなります。売主の意向で広告活動をしないこともできますが、それでは売れる物も売れないですよね。もし広告活動を一切しなかったとしても、マンションの購入希望者が内覧に来たり、営業担当者が何回も出入りしていたりすれば、周囲に勘繰られることにもなるでしょう。
一方、買取なら広告活動は皆無。契約前に営業担当者や買取業者がマンションを訪れるのもそれぞれ1~2回ですから、周囲に全くわからない内に売却・引渡しまですることができます。
買取が向いているケース
以上3つのメリットから、買取に向いているのは以下のようなケースだといえます。
買取が向いているケース
- 早く確実に売りたい
⇒買い替え、お金がすぐに必要という状況 - 瑕疵担保責任を負いたくない
⇒築年数による経年劣化が激しい、修繕するべき箇所が多い - 周囲にバレずに売りたい
⇒離婚、隣人とのトラブルがある
買取の中でも高額売却を目指そう!
仲介の場合は、査定額がそのまま売却金額になるとは限りません。仲介の査定額とは、「これくらいで売れるはず」という予想額。買い手次第で査定額以上にも査定額以下にもなります。そのため「査定額が高い」というだけで不動産会社を選ぶべきではないんですね。
一方、買取の場合は査定額がそのまま売却金額になります。予想額ではなく、「この金額で買取ります」という確定額ですからね。つまり仲介と違って、買取の場合は査定額が全て。少しでも高額査定をつけてくれる業者を探す必要があります。高額査定をもとめるには、複数の買取業者に査定を依頼することが鉄則です。複数社に査定してもらうメリットは、各社に競争意識が生まれ、金額を釣り上げるとともに、査定額を比較することができるからです。
買取の場合は特に、1社のみにしか買取査定をしてもらわないというのは損です。当サイト「イエサテ」では、仲介による査定に加え買取査定にも対応しています。仲介による売却に比べ金額が安くなってしまう買取ですが、その中でも少しでも高い金額で売却できるようイエサテから複数社に査定依頼してみてくださいね。
2、一般媒介と専任媒介、どちらにするべき?
不動産会社に売却を依頼するには、「媒介契約」を締結する必要があります。この媒介契約は3つの種類があります。
← 下記の表は左右にスライドできます →
一般 | 専任 | 専属 | |
他社への依頼 | できる | できない | できない |
自己発見取引 | できる | できる | できない |
契約期間 | 期限なし | 3ヶ月以内 | 3ヶ月以内 |
レインズ登録 | 義務なし | 7日以内 | 5日以内 |
定期報告 | 義務なし | 2週に1度以上 | 1週に1度以上 |
レインズとは?
国土交通大臣から指定された全国4つの公益法人によって運営されている、不動産情報ネットワークシステムの通称です。仲介業をおこなう不動産会社はほぼ100%加入しており、不動産情報を検索・紹介するためには不可欠。売主、買主など一般の人は閲覧することができない不動産業者専門のサイトです。
1990年にレインズが作られてからというもの、不動産業界は大きく変わったといえます。
会社の規模や場所に関わらず、どんな会社でも平等に物件を検索できるようになったからです。
不動産取引の中心は、レインズにあるといっても過言ではありません。レインズの仕組みを知っておくことは、媒介契約や不動産会社を選ぶときに大いに役立つものなので、売主なら必ず知っておくべきです。
上記のグラフは3つの媒介契約の違いを示したものです。この表だけではわかりにくいと思いますので後述で詳しく説明しますが、まず「専任」と「専属」には大きな違いはありません。「自己発見取引」の点で違いがありますが、自己発見取引とは売主自らが買主を見つけるということ。あまり想定できるケースではありませんので、両者の違いについては不動産会社も重要視していません。ただ専属より専任の方が売主の自由度が高いといえるので、専属は多くの場合で選択されない媒介契約と思っていただいていいです。
売主は、「一般」か「専任」の二者択一と考えて問題ないでしょう。ここからは一般と専任のこと詳しく説明していきます。
一般媒介なら複数社に売却を依頼でき、専任媒介は1社のみとの契約になります。
その違いは大きいから、ここからのことはよく確認すべきですね。
一般媒介の特徴と向いているマンション
上記の表で一般媒介は、「契約の期限なし」「レインズ登録の義務なし」「定期連絡の義務なし」となっていますよね。ただ法律的には一般媒介にこれらの義務は定められていませんが、行政指導によって「期限は3ヶ月以内」「レインズへの登録」「定期連絡の実施」が推奨されています。つまりこの点については、専任媒介と大きな違いはないという認識で大丈夫です。
では何が専任媒介と違うのかというと、やはり「他社に依頼できる」という点です。それはつまり、一般媒介ならたくさんの不動産会社に売却を依頼できるということです。
売れる可能性も高まりそう!一般媒介で決まりね!
多くの人はそう思うでしょうね。確かにそこは一般媒介のメリットでもあるのですが、同時にデメリットでもあるんです。
不動産会社の立場になって考えてみてください。「色々な会社に手当たり次第売却を依頼している物件」と「自社の独占物件」、どちらに力が入るでしょうか?前述通り、仲介手数料は成功報酬。売却活動をしているだけでは、一銭も不動産会社の懐には入らないということも踏まえて考えてみてください。
どう考えても独占物件ですよね。お金と時間をかけて広告活動をしたとしても、他社に契約を越されてしまえばその努力と費用は水の泡です。そのため一般媒介の傾向として、不動産会社が注力しにくいということがあげられるんです。
では「どんな物件でも一般媒介は避けたほうがいいのか?」というと、そういうわけではありません。不動産会社がお金と時間をかけた広告活動をしにくいとしても、広告活動をするのが不要なくらい魅力的な物件なら話は別です。
魅力的な物件は、特別な広告活動や努力をしなくても買い手は集まります。そのため一般媒介だとしても、各社のやる気は削がれないんですね。一番に最優先させる物件にはならないかもしれませんが、既存の買い手に紹介したり、お金のかからない方法で物件を周知させたりする努力はするでしょう。となると1社独占の専任媒介より、複数社に売却を依頼できる一般媒介の方がメリットは大きいと考えられるんです。
具体的に一般媒介に向いていると考えられるのは、以下のような条件を持つマンションです。
一般媒介に向いているマンション
- タワーマンション
- ブランドマンション
- 駅から徒歩5分など好立地なマンション
- 築年数が5年以下など築浅のマンション
専任媒介の特徴と向いているマンション
専任媒介の一番の特徴は、1社の独占物件となるので不動産会社が力を入れてくれる傾向があることです。不動産会社からすれば契約さえすれば報酬に繋がるため、お金をかけた広告活動をしてくれる傾向がありますし、ワケあり物件や売却の事情が複雑な場合などのサポートにも期待ができます。
ただやはり「1社のみ」というのは、その1社に依存してしまうということ。唯一売却を任せている1社が力不足だったり、売主の利益を考えていなかったりすれば、取り返しがつきません。そのため専任媒介を選択する場合は、一般媒介以上に不動産会社の見極めが重要になるということは覚えておいてください。後述で不動産会社の選び方は詳しく説明していますので、専任媒介を考えている人は特に要確認です。
さて、一般媒介には「魅力のあるマンション」が向いていましたが、専任媒介にはどんな条件のマンションが向いているのでしょうか?考え方としては、不動産会社の協力なしには売却が難しいマンションや、一般媒介のサポートでは物足りないと思われるマンションは特に専任媒介のメリットが活きるといえます。
具体的には以下のようなマンションです。
専任媒介に向いているマンション
- 築年数が古いマンション
- 駅から距離があるマンション
- ライバル物件が多いマンション
- 事故物件や心理的瑕疵があるマンション
- 相続や離婚による売却
- 共有者が複数
専任媒介と囲い込みのリスク
少し難しい話になるが、心して聞いてください。
「両手成約」と「片手成約」
1つの売買契約に対し、1つの不動産会社が仲介する場合と、2つの不動産会社が仲介する場合があります。
まず1つの不動産会社が仲介するのが、「両手成約」と呼ばれる取引形態です。上記の図のように売主と買主の間に入る不動産会社は1社です。売主も買主も自社の顧客のため、仲介手数料は両者から受領することができます。
一方、両手成約に対して「片手成約」は、売主、買主、それぞれに別の不動産会社がついている構図となります。各不動産会社が受領する仲介手数料は、両手成約の1/2です。
不動産会社からすれば、両手成約を狙いたいのは容易に予想がつきますよね。しかし両手成約を故意におこなうことは違法であり、売主に利益に反することなんです。
両手成約は、本来狙ってできるものではありません。物件情報はレインズで全国の不動産会社に共有されるので、他社が先に客付してしまう可能性は大いにあるからです。それを故意におこなうとなれば、もはや物件情報を囲い込む=他社に開示しないことでしか方法がないんですね。
囲い込みの方法
ではどうやって物件情報を囲い込むのかというと、いくつか方法が考えられるのですが、まずはレインズに登録しないということ。レインズへの登録は、専任媒介であれば不動産会社の義務でしたよね。でも不動産会社と売主の1対1の契約のため、たとえレインズに登録していなかったとしても売主は感知ができないんです。
レインズに一瞬だけ登録して、登録したという証明書だけ売主に見せて安心させるなんて手法もありますね。
あるいはレインズには登録しても、他社からの問い合わせに嘘を並べれば簡単に囲い込みはできてしまいます。他社から問い合わせがあったとき、契約の予定もないのに「契約予定です」としたり、売却が継続中なのに「売主の意向で売却を中止する予定なんです」としたりすれば、他社はそれ以上踏み込むことができません。
このように簡単にできてしまう「囲い込み」ですが、民法上、宅建業法上、完全に違反な行為です。バレれば確実に罰せられます。しかしなかなか表に出ないというのがまた問題なんです。
囲い込みを避けるには
ここからが大切です。売主が囲い込みのリスクを最大限避けるには、第一に媒介締結前に不動産会社を見定めることです。その際「片手取引でもよしと思っているか」などの質問を正面からぶつけて反応を見るのもいいと思います。不動産会社はこういわれてしまうと、「この人に嘘は通用しないな」「囲い込みしてバレたらやばいな」という心理が働き、抑止力にも繋がります。
専任媒介の契約期間を最初は短くするというのも有効的でしょう。最長3ヶ月の契約のところ、1ヶ月や2ヶ月にするんです。その間に不正を働いている様子はないか、売却力はどんなものかを見定めることができます。
囲い込みのリスクをないものとするには、専任媒介契約を結ばないことです。一般媒介なら複数社に売却を依頼できるので、1社が情報を囲い込むことはそもそも不可能ですからね。
そして傾向としてですが、大手不動産会社の方が囲い込みはされやすいといわれています。逆にいうと、中小規模の不動産会社は囲い込みをしたくてもできないことが多いんです。それは大手と比べて扱っている不動産が少ないことが理由としてあげられます。
注目すべきデータがあります。住宅新報社によると、2017年度の仲介手数料率は、大手不動産会社20社の内、約半数が5%を超えているといいます。これがどういうことかわかりますか?仲介手数料は基本的に「売買金額×3%+6万円」ですから、片手成約だったら仲介手数料率は約3%です。それが5%を超えているということは、多くの取引が両手成約だということです。両手成約は、本来意図してできるものではないはずです。これは、大手は囲い込みが慣習化している証拠ともいえるのではないでしょうか?囲い込みされないためには、大手を避けるというのも1つの考え方かもしれませんね。
3、不動産会社の選び方
不動産会社ってたくさんあるじゃない?
正直、どんな不動産会社がいいのかわかりません…
そうですね。
不動産会社は「大手がいい」と思っている人が多いのではないのでしょうか?
あるいは「どこでも同じ」と思っている人もいるかもしれませんね。
しかし不動産会社は規模で売却力が決まるものではないし、
各社によって得意にしている分野があるものなんです。
それを理解する前に、不動産会社を選んではいけません。
選んだ不動産会社次第で、売れるスピードも金額も大きく違ってくるんです。
ここからは不動産会社選びの3つのチェックポイントを解説していきます。
チェック1、大手と中小はどちらがいいの?
不動産会社を選ぶとき、「大手不動産会社と中小規模の不動産会社どっちがいいんだろう?」と考える人は多いと思います。まずは大手と中小のメリットを見てみましょう。
大手のメリット
名が知れている大手不動産会社って、それだけで「安心」な気がしますよね。確かに大手は、「膨大な顧客データ」「手厚いサポート体制」の2点がメリットであり、安心に繋がります。
大手不動産会社は、全国に100や200の拠点を構えて営業しています。そのため会社として所有している顧客データは膨大。大量の顧客に紹介するということは、成約率を高めることに直結します。
また大手不動産会社の手厚いサポート体制も魅力の1つです。
例えば、
- 弁護士などの専門家と提携しているため、初回相談料などが安く抑えられる
- 売り出し前に軽微な傷や汚れを修繕してくれる
- トランクルームや引越しなども提携料金で格安に利用できる
など、大きな組織だからこそできるサービスで売却をサポートしてくれます。
中小のメリット
中小の強みはなんといっても地元での営業力の強さ。長年、地域密着で営業していますから、地域の地主や投資家とのパイプがありますし、その地域での購入希望者の数だったら大手にも負けないでしょう。
また大手と比べて、対応がきめ細やかで、物件によって優劣を付けない傾向があるというのも大きな魅力の1つです。大手の営業担当は、同時に10件や20件もの物件の売却を請け負っているものです。そのため「売りやすい物件」と「売りにくい物件」によって優劣がつけられてしまうこともあります。「売りにくい」と判断されてしまったら、後回しにされてしまったり、力を入れてもらえなかったりすることもあるんですね。
一方、中小は、売却相談数が大手に比べて少ないこともあり、1つ1つの物件を丁寧に扱う傾向があります。「絶対うちで売ってみせる!」という志が強いということですね。
結局、大手と中小どっちがいいの?
大手と中小、双方のメリットを挙げてきましたが、そもそも不動産会社で一番にもとめるべきことってなんだと思いますか?
手厚いサポート体制?
細やかな対応?
どちらも否。正解は、売却力の高さなんです。売却力とはすなわち、少しでも早く、高く売る力です。そして「売却力の高さ」という観点で見ると、中小規模、つまり地元に密着した不動産会社に軍配が上がります。
確かに大手には顧客がたくさんいます。でも顧客データって、今までその会社で契約したり、購入や売却の相談をしたりした人たちの情報なんです。決してあなたのマンションを買いたいと思っている人の情報ではありません。
しかも大手の顧客データは、全国にまたがっているもの。大手の店舗が多く集まるのは東京周辺です。東京やその他の地域の人が、大阪や兵庫のマンションを買うケースはあまりありませんよね。「不動産を買うのは8割が近所の人」という統計もあるくらいです。
ということはつまり、顧客データが多いからといってそれが売却力の高さには直結しないということです。でもそれが「地元の顧客データ」だったら話は別です。中小のメリットでもお話した通り、地場にある中小規模の不動産会社は、長年地域密着で営業してきた強みがあります。地域の地主、投資家とのパイプ、購入相談の多さは、その地域のマンションを売る上で成約にいたる可能性を上げてくれるものです。
大手の手厚いサポート体制も捨てがたいところではありますが、「提携料金で引越しや専門家に相談できる」「売却前にちょっとした修繕をしてくれる」などのサービスは、せいぜい数万円相当のもの。10万円でも20万円でも高く売ってもらえれば簡単に元が取れるものですから、サービス本位ではなく「売却力」で不動産会社は選ぶべきです。
得意分野もチェック
一口に「不動産会社」といっても、買取をメインにおこなっているところや仲介をメインにおこなっているところ、賃貸、投資などを専門にしているところもあります。またマンションの売却を得意にしているところもあれば、土地・戸建の取引が多いところもあります。そして得意としているエリアについても不動産会社によって異なるんです。
例えばあなたの売りたい物件が、「大阪市住吉区」「居住用」「マンション」であれば、大阪市住吉区を中心に営業をしていて、なおかつ居住用マンションの売却を得意としている不動産会社を選ぶ必要があります。
そうですよね。ごもっともな意見です。そんな方たちのために、当サイト「イエサテ」が存在しているんです。
イエサテは、不動産会社選びにもってこいのサイトです。ただ大変申し訳ありませんが、イエサテは土地や戸建、1棟ビルなどの売却には対応していません。マンション売却の不動産会社探し専門とさせていただいております。また対応エリアも、兵庫・大阪に限らせていただいていることもご了承ください。
なぜそんなに限られた条件やエリアなのかというと、兵庫・大阪エリアのマンション売却をしたい方に最善の情報を届けたいからにほかなりません。イエサテに参画している不動産会社は、兵庫・大阪の各エリアにおいてマンション売却を得意としており、かつ実績も豊富な地域密着の企業のみ。「査定をお願いしたらエリア外だった」「マンションを売りたいのに、土地と戸建ばっかり取引している不動産会社だった」なんてことがないよう、限られた条件に特化したサイトを構築しています。
このエリア内のマンションであれば「買取」査定にも対応しています。ご希望に合わせて、ぜひイエサテの仲介査定、買取査定をご利用ください。
担当者も忘れずチェック
不動産会社に査定をお願いすると、営業担当者が対応してくれます。このとき対応してくれた担当者がそのままマンション売却を担当するのが通例ですから、査定時には担当者のチェックも怠らないようにしましょう。
「不動産会社自体には満足したけど、担当者がなぁ…」という場合は、遠慮せず担当者の変更をお願いするべきです。営業担当者は、大事な資産であるマンションを売却してもらうとともに、長い付き合いになる人です。売却期間中は何十回と連絡を取り合い、家に何度も上げることにもなります。清潔感がありマナーがあるというのはもちろんのこと、以下の3点にも注目して担当者を見極めましょう。
1、レスポンスが早い
マンションの売却は多くの人が初めて経験することですから、疑問点も多いものです。「この書類はいつまでに必要なの?」「いつまでにいくら用意すればいいの?」など、こちらから営業担当者に聞くことも多いはずです。その時にいちいち回答に時間がかかるようだと、売主であるあなたは大きなストレスを感じます。
またあなたのマンションの売却を担当するということは、買い手からの問い合わせや内覧時の応対もするということです。そのとき買い手からの質問にすぐ答えられない、問い合わせの折り返しの電話が遅いとなれば、売却のチャンスを損なうことにもなります。
レスポンスの早さって、売却力の高さにも直結するものなんです。連絡が早いということは、一歩先までに見越しているということであり、頭の回転も早いということ。初見では見極めるのが難しいかもしれませんが、「査定報告書が全然送られてこない」「電話して不在でも折り返しをよこさない」「メールの返信が遅い」などの場合は要注意です。
2、できないことはできないと言ってくれるか
マンションの売却は、売主であるあなたが主導となっておこなうものです。売却金額を決めるのも、価格の変更をおこなうのも、全てあなたの一存ですることができます。しかしマンション売却の初心者である売主が、独自に金額を決めたりするのは危険。必ず担当者のアドバイスに耳を傾けるようにしましょう。
でも担当者が「いいですね!」「そうしましょう!」など肯定しかしない人だったら、売主は「これでいいんだ!」と思ってしまいますよね。マンションを早く、高く売るためには「その価格では売れません」「反響がないので価格変更をすべきです」などの意見も必要になります。こちらへの気遣いばかりでなく、明確なアドバイスをくれる担当者を選ぶべきです。
3、最後はフィーリングを大切に
営業担当者は、有資格者や役職がついている方がいいというのはもちろんです。でも最後はフィーリングも大事にしてください。若くてどこか頼りなさそうな担当者だとしても、若さゆえに精一杯営業活動をしてくれるかもしれません。そのような姿勢を感じ、好感が持てる担当者であれば、その人に任せるのもいいと思います。若い担当者には必ず上司やベテラン社員がバックアップするものです。考えようによっては会社全体でサポートしてくれる分、安心ともいえます。
「気が合う」「好感が持てる」営業担当者だったら、売買契約成立後も長く付き合っていけるものです。例えば買い替え後にリフォームをしたいとなれば、「いい業者知らない?」なんて聞くこともできますし、知り合いで不動産を売りたい・買いたい人がいれば紹介もしたくなります。もちろんできるだけ好条件でマンションを売ってくれれば、いうことはありません。でも大事な資産であるマンションですから、好感が持て、長く付き合える営業担当者に売ってもらえたら嬉しいですよね。
4、不動産会社の探し方
さて、不動産会社の役割から選び方まで説明してきましたが、ここからは「どうやって探すのか」という話です。
不動産会社を選ぶには、
・不動産会社の得意分野や得意なエリアを知る
・囲い込みなどの悪質行為をしないか見極める
・売却力の高さで選ぶ
ことが大切なんです。
1軒1軒、聞いてまわれとでも言うのですか?
しかし今は便利な時代ですね。
「一括査定サイト」を使えば簡単に不動産会社を探すことができるんです。
先生のおっしゃる通り、一括査定サイトを利用することで、売主が不動産会社を探す手間を大幅に短縮することができます。しかし一括査定サイトは便利な反面、デメリットもあります。
一括査定のメリット・デメリット
一括査定サイトとは、売りたい物件の情報と売主の個人情報を1度入力するだけで、複数社に査定の依頼ができるサイトです。不動産会社を1軒1軒まわったり、電話したりする手間がありません。スマホでもパソコンでも自宅にいながら1~2分で査定依頼ができ、完全無料とあって、今や査定を依頼する際の主流の方法となっています。メリットは確かに大きいんです。しかし利用の前には、以下の3つのデメリットについても併せて認識する必要があります。
一括査定のデメリット
- エリア外やその不動産会社の得意分野ではないケースがある
- 高額査定をもとめてしまう
- しつこい営業を受ける可能性がある
1つずつ解説しますね。
エリア外やその不動産会社の得意分野ではないケースがある
一括査定サイトはたくさんありますが、そのほとんどが「参画している不動産会社は1,000社以上!」「全国どこでも査定します!」などの文句を掲げています。でも実際に査定依頼してみるとわかりますが、結局、査定依頼できるのは2社や3社だったり、実際に査定に来た不動産会社がまったくのエリア外や専門外だったりもするんです。
「全国対応」「参画している不動産会社が多い」というのは一見するとメリットですが、利用者は、自分が売る物件のエリアで、自分が売る物件種別の売却を得意としている不動産会社を見つけるのが目的です。エリア外や専門外の会社に来られても、正直迷惑ですよね。
高額査定をもとめてしまう
一括査定サイトを利用するとありがちなのが、「高い査定額がいい」という考えを持ってしまうことです。でも査定額とはその額で売れると保証されたものではなく、あくまで予想額。不動産会社にもとめるべきなのは、売却力だというのは先述の通りです。査定額が高いという理由だけで不動産会社を選んでしまうと、結果として「売れない」「売却の機会を逃す」ことにもなりかねません。
しつこい営業を受ける可能性がある
複数社に査定依頼をすることは各社を比較するために必要ですが、それはつまりその内の何社かはお断りをしなければならないということです。でも参画している不動産会社の質が悪いと、断っても断ってもしつこく電話をかけてくる可能性もあります。1,000社などの不動産会社が参画していれば、運営側も全ての会社に目が行き届きませんからね。
イエサテがおすすめな理由
一括査定サイトは確かに大変便利なサービスではありますが、気をつけていなければ上記のように売主に不利益が生じてしまうこともあるんです。そんなデメリットを解消したいという思いがきっかけで誕生したのが、当サイト「イエサテ」です。私たちの思いは、囲い込みなどの悪質な行為や、不動産会社本位の売却になってしまうことを気にせず、もっとも良い条件で不動産を売ってもらいたいということです。
それを目指した結果、マンションの売却専門、大阪・兵庫エリア限定という限られた方に向けた一括査定サイトを構築するにいたりました。限定的なサービスにしたことで、不動産会社の質や売却力、専門性の高さには絶対的な自信があります。それは運営側が実際に足を運び、「売主ファースト」の信念に賛同してもらった地域密着の不動産会社にしか参画してもらっていないからです。私たちは大阪・兵庫エリアでマンション売却No.1を目指し、売主に寄り添って営業を続けて参ります。
まとめ
不動産会社ってなんか敷居が高いというか、近寄りがたいイメージがあると思います。確かに悪徳な売り方や、しつこい営業を続ける不動産会社も存在するのが事実です。
でも選び方さえ間違わなければ、不動産会社はあなたの味方です。不動産会社を最良のパートナーとすることができれば、マンション売却は成功したも同じ。そのため不動産会社選びには徹底的にこだわり、満足がいくまで検討を重ねてください。